すべての手術はうつ伏せで行います。
肛門の奥にでき
初期には痛みが無く出血のみのことも
多くの痔核は、この方法1回で治ります。
内痔核に薬剤(ジオン)を特殊な方法で注射し、痔に流れ込む血流の量を減らし、痔を硬くし、その後吸収されて消失します。
出血や痛みが少なく済み、患者様の満足度が高い方法です。
通院で行う方法と1泊入院して、腰椎麻酔をかけて行う方法のどちらかを選べます。
進行した脱肛痔におこないます。
広く行われている結紮切除方法を、独自に改良工夫しています。
高周波メスを使用して粘膜を出来るだけ残して、主痔核と副痔核も切除します。
切除後は溶ける糸で縫合します。粘膜欠損が少ないので傷の治りが早く、術後の痛みもほとんどありません。
大きく歪んだ脱肛痔も、出来るだけ元のきれいな形に戻す、いわば肛門形成術とも呼ぶことの出来る方法です。
レーザーで内痔核を固めて縮小させる方法です。痛みを感じない内痔核に使われる方法です。
周囲を傷つけることのない安全な方法で、日帰りまたは短期の入院で処置できます。外痔核をともなう場合には向きません。
結紮切除術やゴム輪結紮術などと併用することもあります。
現在では、あまり実施されていない治療法です。
痔核を輪ゴムで縛り壊死させる方法です。
当院ではこれを単独では行いませんが、ジオン注射や肛門形成術と併用して行います。
レーザー照射法、輪ゴム結紮法、高周波焼灼法はいずれも中等度以下の内痔核に行います。
いずれの方法よりジオン注射療法のほうが優れています。
小さいものは薬で2~3週間で治ります。1~4cmの大きいものは高周波メスを使用し数分の手術で治療できます。翌日は嘘のように楽になります。
若い女性に多い病気で、当院では、裂肛軟膏(血管拡張薬を含む)を塗布することで、治療を行っております。
初期のものは、ほとんどこの方法で治療ができます。
進行したものは、手術治療を行います。
当院では発症後1年以内の切れ痔の場合は、血管拡張と筋肉けいれんを防ぐ軟膏の塗布を行う方法で、まず治療を開始します。
これのみでかなりの方が治癒します。進行したものは次項の手術に移ります。
切れ痔の痛みと再発悪化の原因となる「硬くなり肛門を締めつけている内括約筋」の一部を切開する方法です。
皮膚を5mmほど切開しますが、翌日から楽に排便が出来るようになり、切れている部分も1~2週間で治癒します。
排便毎に激痛を感じている方は、すぐに診察を受けることをお勧めします。
細菌感染で肛門周囲の腫れや発熱
膿の排出などが見られます
シートン法は膿の出入りするトンネルを、ゴムの弾力を利用して、数週間、数ヶ月という長期間をかけて徐々に切除していく手術方法です。
瘻管が通過している回りの組織を浄化しつつ、ゆっくり切開をしていくため、切れた筋肉は少しずつ回復していきます。
そのおかげで、通常の瘻管切開開放術と比べて肛門括約筋に受けるダメージは遥かに軽く済みます。
治癒率も他の手術法より、優れているという報告が多くみられます。
この方法の利点は、入院期間が短いこと、治癒率が高いこと、治療後の肛門の変形がほとんどないことなど多くあります。
当医院では、後方以外の痔瘻はこの方法で治療します。
肛門後方(背中側)の比較的浅い痔瘻の場合には、瘻管切除もしくは切開開放術を行います。
後方部は括約筋を切除しても肛門機能への影響が少なく、シートン法より治療期間が短いことが利点です。
再発率が約1~2%と低く、根治性の高い方法です。
浅い単純痔瘻の場合は日帰り手術が可能です。
いずれの方法でも痛みを感じさせないよう、独自の工夫を加えております。
外来での外痔核や血液抗凝固療法中の患者さまに行います。
肛門部の局所注射はかなりの痛みを訴える方が多いので、当院ではツボ刺激により痛みを緩和する方法を併用しております。
通常はこの方法を行います。座位で腰に注射を打ちます。当院では27ゲージという極細針を使用しますので、痛みはほとんどありません。
ただし、40歳以下で特にやせ型、高身長の方は麻酔後、術後頭痛という症状をきたすことがあるので、この場合には次の麻酔方法をとります。
うつ伏せになり骨盤真ん中の仙骨間に麻酔液を注入して行う方法です。施行前に注射部位を冷却し、刺入時の痛みを緩和します。
数時間で麻酔の効果がなくなりますので、日帰り手術に適応します。