排便時出血は、通常、いぼ痔、切れ痔の症状ですが、50歳以上のいわゆるがん年齢の方は、大腸がんの可能性を常に考えておかなくてはなりません。
できるだけ大腸ファイバーを受けるようにしてください。
痔の手術前には、かならずこの検査を行う、肛門病専門施設が増えています。
かゆみが強くて夜も眠れない。これは、肛門掻痒(そうよう)症という状態です。
肛門より粘膜などが漏れ、皮膚が炎症を起こし、歩行や運動で摩擦されて進行します。
このような患者さんは、よりきれいにしようと、せっけんでゴシゴシ洗ったりしますが、大切な皮脂が抜けて無防備な皮膚になり悪化します。
また、自己治療で様々なぬり薬を塗って、遂には、カビが繁殖したりします。
まず、お湯で柔らかく洗って、強く紙で拭かないようにします。その後、ワセリンなど皮膚を保護する軟膏を塗ってください。それを根気よく続けてください。
肛門周辺にブツブツとイボができる病気があります。これは、尖圭(せんけい)コンジローマと言い、ウイルス感染により発生します。
パートナーより感染することが多いです。サウナなどでも感染することがあるそうです。
これは、現在特効薬がありますので、専門医を受診してください。
痔瘻(じろう)ではないのに、お尻におできができる、しかも同じ部位に何度も再発することがあります。
この状態の場合は、まず、粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)という、おから状の垢が溜まる袋がある状態、が最も疑われます。
また、臀部皮下にいくつもニキビのようなものができ、破裂して硬い化膿巣をつくり、徐々に拡がり皮膚が黒く組織沈着を起こしたりする病気は、膿皮症といいます。
両者とも手術により根治しなければなりません。
いずれの病気も初期治療が大切なのは言うまでもありません。お尻の病気だといって、恥ずかしがらずに早めに受診してください。